知らないと損する住宅ローンと設計の関係

家づくりを考えるとき、多くの方が最初に不安に感じるのが「お金」のことです。
その中でも、ほとんどの方が利用するのが住宅ローン。
ローンの組み方ひとつで、建築費だけでなく、設計の選択肢や将来の暮らしの安心感まで変わってきます。
今回は、設計士の視点から「住宅ローンと設計の関係」についてお話します。


住宅ローン減税と性能等級の関係

住宅ローンを利用すると「住宅ローン減税」という制度が使えます。
これは、借り入れ残高に応じて所得税や住民税が控除される仕組みです。
ただし、この控除額は住宅の性能によって変わるのをご存知でしょうか?

例えば:
	•長期優良住宅
	•ZEH水準省エネ住宅
	•一般的な新築住宅

といった区分ごとに、減税の対象年数や最大控除額に違いがあります。

つまり「どうせ建てるなら、
性能等級をきちんと満たす設計にすることで減税メリットを最大化できる」わけです。

設計の段階から性能等級(耐震等級・断熱性能・省エネ基準など)を意識しておくことが、
後々の家計の負担を軽くすることにつながります。
設計段階で知っておくべきこと

設計を進めるときに「住宅ローンの審査」や「補助金・減税の条件」を知らないまま進めてしまうと、
後から修正が必要になったり、せっかくの制度を活用できなかったりすることがあります。

例えば:
	•断熱性能を少し上げるだけで補助金対象になる
	•耐震等級を2から3にすることで保険料や減税額が変わる
	•窓のサイズや種類を工夫するだけで性能証明を取得できる

など、小さな工夫が大きな差につながるケースが少なくありません。

設計士としては、「暮らしやすさ」と「制度のメリット」を両立させる提案を常に意識しています。

お金の不安と家づくりの安心感

多くのご家族が「資金計画」と「間取り計画」を別々に考えてしまいますが、本来はこの二つは切り離せません。
	•住宅ローンの仕組みを理解すること
	•設計段階から減税や補助金を意識すること
	•性能等級を満たす設計を選択肢に入れること

この3つを意識するだけで、お金の不安を安心感に変えられるはずです。

「住宅ローンは金融の話だから設計とは関係ない」と思われがちですが、実は深くつながっています。
だからこそ、設計士が制度を理解し、お客様に合った家づくりを提案することが重要なのです。


まとめ
	•住宅ローン減税は、建物性能(性能等級)によって控除額が変わる
	•設計段階から性能や補助金条件を意識することで大きなメリットがある
	•お金と設計を一体で考えることが、将来の安心につながる

家づくりは「暮らしをデザインすること」ですが、その裏には「資金計画をデザインすること」も含まれます。
設計とお金の両面からサポートすることで、安心して家づくりを進めていただければと思います。