小さなお子さまがいるご家庭にとって、 家づくりの計画は「暮らしやすさ」が一番のテーマになるのではないでしょうか。 子どもがのびのびと遊べて、親が安心して見守れる間取り。 加えて、家事や収納の工夫ができていれば、 毎日の生活に余裕が生まれます。 中村建築研究室でも、 子育て世代のお施主さまから 「家事がラクになる間取りにしたい」 「子どもが成長しても使いやすい家にしたい」 といったご相談をよくいただきます。 今回は設計士の視点から、 回遊動線・収納・家事ラク動線 の3つの工夫を軸に、 子育て世代におすすめの間取りの考え方をご紹介します。1. 回遊動線でストレスフリーな暮らし 子育て世代に特に人気なのが「回遊動線」です。 回遊動線とは、 キッチン・リビング・水回りなど主要な空間をぐるりと一周できる動線のこと。 •料理をしながら子どもの様子を確認できる •水回りへすぐ行けるので家事がスムーズ •子どもが成長してからも混雑しにくい といったメリットがあります。 例えば、 キッチン → 洗面室 → ファミリークローゼット → リビングへ戻る、 という一連の動線があれば、家事と子育てが同時進行しやすくなります。 また、子どもが小さいうちは室内を走り回れる楽しさがあり、 小学校高学年以降は効率的に移動できる利便性へと変わっていきます。
2. 収納計画で「散らからない家」に 子育て世代の住まいでよく耳にするお悩みが「物が多くて片付かない」というもの。 おもちゃや学校用品、スポーツ用品に加えて、家族分の衣類や日用品…とにかくモノが増える時期です。 そこで重要なのが収納計画です。 •玄関収納:ベビーカーや子どもの外遊びグッズをそのまましまえる土間収納 •リビング収納:おもちゃやランドセルを置けるリビング横収納 •ファミリークローゼット:洗濯後すぐに家族の衣類をまとめて収納できる空間 収納は「しまいやすい場所」に配置することがポイント。 リビングに子どもが使う物をしまえる収納があれば、自然と片付けの習慣も身につきます。
3. 家事ラク動線で毎日の負担を軽減 家事の中で時間を取られがちなのが「洗濯」と「料理」です。 この2つを効率化できると、子育て世代の生活はぐっとラクになります。 ◆洗濯動線の工夫 「洗う・干す・しまう」を一ヶ所で完結できる間取りにすると、移動の手間が大幅に減ります。 洗面室の隣にランドリールームを設け、さらにファミリークローゼットへ直結すれば、家族分の衣類を効率よく収納可能。 ◆キッチンの工夫 パントリーを併設することで買い置きや調理器具をスッキリ収納できます。 また、勝手口と直結させれば、買い物帰りにすぐ収納できるのでとても便利。 こうした小さな工夫が「時短」につながり、子どもと過ごす時間の余裕を生み出してくれます。
4. 安心・安全への配慮 子どもが小さいうちは「目の届きやすさ」が大切です。 •リビング階段で帰宅後すぐに家族と顔を合わせられる •対面キッチンで料理をしながら子どもの様子を確認できる といった工夫は、安心感につながります。 また、将来を見据えてフラットな床や段差の少ない設計にしておくと、 子どもが成長した後も安心して暮らせます。廊下やドアを少し広めに計画しておけば、 ベビーカーや車椅子にも対応しやすくなり、長く住みやすい家になります。 子育て世代が安心して暮らせる家をつくるには、回遊動線・収納・家事ラク動線 の3つを意識することが大切です。 これらをバランスよく取り入れることで、家族がのびのびと過ごせる空間が生まれます。 間取りは「今」だけでなく「将来」も考えて計画することがポイントです。 子どもの成長や暮らしの変化に寄り添える住まいづくりを、一緒に考えていきませんか?